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野生動物との微妙なバランスを大切に!熊対策や日光の自然が学べるスポットも紹介

日光いろいろ
この記事は約11分で読めます。

日光市には多種多様な動植物が生息しています。
森林面積が市の面積の9割を占めることや、ラムサール条約に守られた国立公園があり、自然が多いからです。

その分自然の力も強く、ちょっとしたことで山際の動物被害が増加したりします。
逆にちょっとを気を付けることで、今のまま微妙なバランスを保つことができます。

微妙なバランスで保たれている自然が学べるスポットも紹介します。


先に伝えたいことはこれ

貴重な場所や動植物と観光スポットとの微妙なバランスを守るため、ご協力ください。

野生動物が近くにいたら、必ず距離をとってください

餌をあげないでください

大自然に立ち入るときは、装備を忘れずに

野生動物との微妙なバランスとは?

野生動物はどのくらいいる?

日光では、哺乳類だけで大小合わせて約50種ほどいると言われています。
ツキノワグマやシカ、サルといった代表的な哺乳類をはじめ、ウサギやリス、モモンガといった小動物など種類は幅広く、そのほとんどが日光国立公園内に生息しています。

ちなみに日光国立公園は、栃木県だけでなく福島県・群馬県・新潟県にまたがる広大な公園で、日光市では面積の約3/4を占め、全国でも有数の広さです。また、そのため動物や自然の力が強い地域でもあります。日光市の有名な観光地、中禅寺湖・戦場ヶ原・日光の世界遺産群・鬼怒川温泉も国立公園に含まれています。1 2

野生動物による被害

人馴れした野生動物が山から降りてくると、人の力が強いところまできてしまうこともあります。中・大型の獣が人へ危害を加えたり、農作物を食べてしまったり。3

これらの動物が人馴れせず、できるだけ山で暮らしてもらわなければなりません

突き放すように感じるかもしれませんが、お互いが微妙なバランスで生きるためです。もちろん猟友会もありますが、動物と人の不必要な被害を出さないために、動物が山から下りやすくならないように、ご協力ください。

自然と町の境目が微妙なバランス

自然の近い日光市では、

・国立公園内の自然や動物を守り、そのままの自然や文化を維持する取り組みが多くあります。

・その一方で、農業や観光業といった自然の力が強くなりすぎては成り立たない、人間の営みが存在しています。

この微妙なバランスの中で、日光市民は自然と共存し距離の違いはあれど、生活しています。
餌やりやポイ捨て、触れ合いといった、人なれはご遠慮をお願いします。

また来ないように、餌付けや人慣れする行動はガマン!

かわいい・かわいそう・心が通じ合えるかも、とご飯をあげたり近づいてしまう誘惑は強いです。

以前一緒に外国の方とニホンザルの群れに遭遇したことがあるのですが、「Oh!Monkey!So,Cute!!」と、猿かわいいー!と大興奮でした。他にも人がいたため、近寄ってくることはなかったのですが、ハラハラしたのを覚えています。群れは怖いです。

触りたい、近くで見たい、餌付けはダメです。心を強くもって、野生と対峙してください。

まれに動物と心が通じ合うこともあります。ですが仮に心が通じ合えても、動物が次に会う人間と分かり合える保障はありません。動物が近づきすぎて人が恐怖し、お互いが命を落とすことだってあります。
微妙なバランスで距離を保っていたら、互いに助かる命かもしれません。

大事なことなのでもう一度

貴重な場所や動植物と観光スポットとの微妙なバランスを守るため、ご協力ください。

野生動物が近くにいたら、必ず距離をとってください

餌をあげないでください

大自然に立ち入るときは、装備を忘れずに

ゼロとは言えない、大型哺乳類に出会う前の準備と心がまえ

さて野生動物との距離をとる必要についてお話してきましたが、うっかり出会ってしまうこともゼロとは言えません。特に出会いたくない野生動物ナンバーワンはやはり、ツキノワグマ
有名なハチミツ大好きくまさんのような関係になれたらいいですが、彼はぬいぐるみです。

広い日光市をドライブしていますが、熊の注意喚起は色々なところで目にしました。

色々なところに貼られている熊の注意喚起ポスター

大事なことがたくさん書かれていて、ためになります。

観光前に気を付けたい、熊対策まとめ

まず熊の対策をまとめると…

熊に出会わないようにする
  • 熊がいそうな藪や山林にいかない
  • 1人の行動は控える
  • 早朝・夕方に注意
  • 音を出しながら歩く(鈴や笛)
  • 1人で熊がいるかもしれないところへ行く際は、
    ベアスプレーを携帯する。
熊に出会ってしまったら
  • 熊を刺激しない
  • 小熊には絶対近づかない
  • 静かにゆっくり後ずさって離れる
  • グループで固まる
  • もし襲われたらうずくまり頭と顔を守る

こんなときは熊対策を忘れずに

自然を散策したり楽しむ人は、注意を目にすることが多いため、気を付けているかと思います。

意外と対策を忘れがちなのはこんなとき
  • 人が騒がしい場所が苦手、人気が少ない場所を求めて散策
  • 滝やダム、ホテル内以外の温泉、自然ロケーションを楽しみに来た
  • 寺社仏閣が好きで世界遺産群に感動、奥へ奥へと進んだらいつの間にか山の中だった
  • ドライブ中に休憩できそうな場所が、近くに散策できるところがあるらしい
  • ホテルに宿泊、昼間は混むから朝方に散策してみよう(夕方や夜も)

国立公園内にある観光スポットや宿泊施設も多いので、おひとりさま観光の方は特にお気をつけて。

慣れていないのに地元の人が近くにいないところに行かない、また施設の人に行き帰りの声がけをすると、今の状況やスポットを教えてもらえたりするので、おすすめです。

こんなとこまで?!熊が今まで出たことがある場所

注意喚起のため、紹介します。
今ここに熊が来ている、という話ではありません。人の混み具合やコロナ禍、開発に伴い日々熊も人も変わっていくことをご承知おきください。

さて、国立公園内は熊の縄張りの中なので、目撃情報はよく耳にします。人や施設付近で出たことのある場所はこちら。

  • 日光の二社一寺世界遺産群内(境内)
  • だいや川公園
  • 鬼怒川4ダム
  • 道の駅日光ニコニコ本陣付近(道の駅ができる前)
  • 温泉の宿泊街

観光スポットで有名なところですが、人混みをかき分けて熊が出るわけではなく、朝方や夕方の人が少ない時間帯に活動的になるようです。

ただ、去年(2023年)の暖冬による山の幸の不作により、熊の出没が増加傾向にあること。また、去年から今年にかけての冬眠をしなかった熊がいることなどがあるため、例年よりも警戒度合いはあげて行動しましょう。

コラム:私の動物エピソード

ひよこらむ

 私はまだツキノワグマに生身ではあったことがありません。会いたくありませんが…。車通りの多い国道のど真ん中にいて、車内から見たことはあります。思った以上の存在感で、人が四つん這いになるよりも大きく、縦にも横にも二回り位大きい印象でした。またここは最悪、熊にあってしまうかもという危機感は持っているのですが、自然が好きでうっかり入ってしまうことも。意外と対策を忘れがちな時の事例は自分の体験も元にしています。準備不足で傘で草をガサガサしながら史跡を見に行ったことも。地元の人に声をかけていたとはいえ、反省。危機感を持っているなんて過信はやめておきましょうね!

 そんな熊の次に出会いたくないのは猪、そして猿です。
 猪は、夕方に高速道路の入り口で、いきなり横切ってきた思い出が。聞いた話ですが、車を何かと勘違いして次々に突進してきたなんて話も。猪は無事で5,6台の車がへこまされたそうです。臆病な性格と言われていますが、それが災いして走り出すきっかけを得たら最後、止まらない印象です。話に聞くと臆病だとは思えませんが。突進、追突だけでなく噛むので近寄りたくない存在です。

 猿は一番距離が近くなってしまう動物かもしれません。実際に私も窓一枚隔てていたり、室内に入ってきたり、育てたものがとられたり、屋根をどたどた通過する音が聞こえたり。近年では、引き戸を開けることができるようになってしまい、人かなと思ったら猿だったり。。。「キャー猿!!」なんていうと、相手もパニックになってしまうので注意が必要です。出会っても「えー、猿じゃん。」ぐらいの気持ちが大切です。
 必要が無ければ避けますが、やむ負えない場合は木材や手の平を叩いて大きな音を出し、犬の「ワン!」や「おい!」と短く大きく発します。正直恥ずかしいけど、気合で負けると退かず、向かってくることも。女性・子供・高齢者は特に注意。1人なことや手がふさがっていること、手荷物などを奴らは見ています。観光に来ている方は、なるべく人気のあるところを選んだほうが良いです。

 鹿については食害が有名ですが、交通事故も多いです。真っ向からぶつかった場合、お互いに無事ではすみません。むしろ車の方が大破し、搭乗者も危険です。日光には角まで含めると軽ワゴン車の高さくらいある大きな鹿もまれにいます。(もしかしたら主に遭遇したのかも…?)また、群れで行動しているため、連続して出てくることも。夜の山道にはお気をつけて。

 危険なことばかり言っているため、不安にさせたかもしれません。この記事で言っている、適切な距離が大事なことが少しでも伝わればと思います。車の運転をしているときも、速度や車間を適切であれば大丈夫、何より大切なのは冷静さや平常心です。自然が強い場所だからこそ、言葉が必要ないほど感動します。移住する人は選ぶかもしれませんが、楽しく生活しているのでご安心ください。

 

日光の自然が学べるスポット4選

日光の野生動物と距離をとってほしいというテーマですが、自然を怖がってばかりではいけませんよね。
なので日光の自然が学べたり、動植物の資料を展示している施設を最後にご紹介します。

栃木県立日光自然博物館

奥日光へ向かい、いろは坂を登った先、中禅寺湖畔、華厳の滝近くにある日光自然博物館では日光地域の文化や自然を様々な資料・展示を通して学ぶことができます。4

また日光自然博物館では、ガイドツアーを毎月企画・開催しています。自然のプロに付き添ってもらえれば、安心して自然を散策できますね。5


栃木県立日光自然博物館(公式サイト
▶〒321-1661 栃木県日光市中宮祠2480-1/ 0288-55-0880
営業時間:9:00~17:00、11月~3月中は10:00~16:00(最終入場は30分前まで)
定休日:5月~11月はなし、12月~4月のみ月曜日(祝日の場合翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
▶入館料:大人/510円・子供(4才~中学生)/260円
アクセス:【車】日光宇都宮有料道路終点・清滝ICから約15km・40分【車以外】JR日光駅/東武日光駅から「湯元温泉行」バスで約50分「中禅寺温泉」下車、徒歩1分
▶ポイント:周辺の公営駐車場は有料化になったため、タイムズ奥日光共通1日券がお得

奥日光湯元ビジターセンター

奥日光の最奥、湯元温泉にあるビジターセンターでは、野生の動物のはく製が並んでいました。
動植物の貴重な資料や山登りの情報などがあり、ちょっとしたお菓子や飲み物も売られています。


日光国立公園 日光湯元ビジターセンター(環境省サイト
▶〒321-1662 栃木県日光市湯元/ 0288-62-2321
営業時間:9:00~16:00(7・8月は17:00まで)
12~3月は9:30~16:00
定休日:4月~11月はなし、12月~1月のみ平日休館、2月~3月のみ水曜日
▶入館料:無料
アクセス:【車】日光宇都宮有料道路終点・清滝ICから約30km・60分【車以外】JR日光駅/東武日光駅から「湯元温泉行」バスで約90分「湖畔前」下車、徒歩3分
▶ポイント:周辺に無料駐車場有り

湯西川温泉・平家の里

鬼怒川温泉よりさらに奧、湯西川温泉にある平家の里にも貴重な資料が展示されています。
茅葺き屋根の施設は平家の落人の当時の暮らしを復元したものです。その中の「お休みどころ」には、景色を眺めて一服できるほかに、湯西川温泉の資料を見ることができます。狩猟が盛んな地域のため鹿や熊のはく製や、映像や資料で湯西川周辺の文化を知ることができます。


日光国立公園・湯西川温泉 復元 平家の里(公式サイト
▶〒321-2601 栃木県日光市湯西川温泉1042/ 0288-98-0126
営業時間:8:30~17:00、12月~3月まで9:00~16:30(最終入場は30分前まで)
定休日:年中無休
▶入館料:大人¥510/小中学生¥250
アクセス:【車】日光宇都宮道路今市ICより約45km、約60分【車以外】鬼怒川温泉駅より約60分 日光交通バス湯西川線「湯西川温泉」下車、徒歩0分|または野岩鉄道「湯西川温泉駅」よりバスで約20分
▶ポイント:駐車場あり・無料

宇都宮市・栃木県立博物館

日光市から車で1時間程の距離にある栃木県立博物館でも、日光の自然が。
常設展の一部、エントランス近くのスロープで日光の野生動物や自然を見ることができます。6
スロープの中には日光の動植物の標本や、森の中を原寸で再現してあり、都会の中で山にハイキングへ行ったような気分になる、面白い展示がされています。


栃木県立博物館(公式サイト
▶〒320-0865 栃木県宇都宮市睦町2-2/ 028-634-1311(※ナビ用、問い合わせ先は公式サイトへ)
営業時間:9:30~17:00(最終入場は30分前まで)
定休日:祝日の翌平日・月曜日(祝日の場合開館)
▶入館料:大人260円/学生120円/中学生以下無料
アクセス:【車】日光宇都宮有料道路・または東北道宇都宮ICから約15km・20分(一番近いICは鹿沼IC)【車以外】JR宇都宮駅・東武宇都宮駅からバスで約8分「中央公園博物館前」下車(他にも複数ルートあり)
▶ポイント:駐車場2カ所(公園駐車場・博物館北駐車場)あり・無料

最後に

野生動物とは距離をとりましょう(Illustration by しろ
最後におさらい

貴重な場所や動植物と観光スポットとの微妙なバランスを守るため、ご協力ください。

野生動物が近くにいたら、必ず距離をとってください

餌をあげないでください

大自然に立ち入るときは、装備を忘れずに

脚注
  1. 日光国立公園ページ|環境省 ↩︎
  2. 環境省 自然環境局 生物多様性センター ↩︎
  3. 野生鳥獣害対策|日光市ホームページ ↩︎
  4. 自然系展示室ページ|日光自然博物館 ↩︎
  5. ガイドツアーページ|日光自然博物館 ↩︎
  6. スロープ展示|栃木県立博物館 ↩︎

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